ビデオカード HD5450を加工・改造してML110に増設する

[HD5450]
ML110 G5
を将来のテストサーバ用に購入しました。
が、ノートPC購入計画が先に先に伸びていることもあって、このレベルのマシンでもうちの環境ではもっともいいスペックになってしまったこともあり(^^;、一時的にデスクトップとして利用することにしました。


障害になるのがオンボードVGAチップ、Matrox G200e(VRAM 8MB!)です。
そこでビデオカードを加工・改造して増設することにします!

Matrox G200eは厳しい

MatroxのG200というと2D画質で10年以上前に定評があったMillennium G200を思い出しますね。ああ、これもVRAM 8MBでしたか。


普通に使えばなんとかなるかなーと思ったのですが、さすがに甘かったです。
例えばWindows7 Ultimate 64bit環境ですと

YouTubeを普通に再生することはできるが、最大化すると紙芝居
ブラウザでスクロールバーをつまんで一気に移動しようとすると、表示がおいつかずカクカクする(どころか、行ったり来たりしてお手上げ)
ファイルをドラッグアンドドロップしようとすると、表示がおいつかず、全然別のところにドロップ(して、それに気づかずにいるとファイルが行方不明に(笑))


はい、デスクトップとして使うには「普通」の範囲が厳しすぎます(><。。
グラフィックカードを増設する必要があります。

グラフィックカードの選択

ML110には、PCI Express x16のスロットがありません。
あるスロットは以下のとおり。


PCI Express x8 1本
PCI Express x1 2本
PCI 1本


PCI-E x16のカードはPCI-E x8/x1のスロットに刺さらないように形状が違うため、現在主流のPCI-E x16のグラフィックカードを使用することができません。
そこでグラフィックカードを増設するには、以下の3通りの方法があります。

PCIビデオカードを入手する

秋葉原のジャンクを漁るわけですね(^^;
PCIビデオカードが余ってたらいい選択かもしれないです、はい。

PCI Express x1のビデオカードを入手する


PCI Express x1のビデオカードってほんと少ないんですよ。
ニーズが少ないから、あっても1万円オーバーが当たり前。きついっす。


比較的良心的な値段で最近発売されたのが、これ。
ION2用ですが、使える……はずです。
ただML110との組み合わせでは、今のところ動作報告を確認できていません。動作確認とれました。ありがとうございます!

PCI Express x16のビデオカードを入手し改造する

ML110自体が8000円で手に入るサーバですから、ビデオカードにそれ以上の値段かけたくないですよね。
ということで、容易に手に入るPCI Express x16のビデオカードのうち、3,000円前後のエントリークラスを削って無理やりPCI Express x1/x8のスロットに刺すという方法があります。

PCI Express x1/x8のスロットを改造する

スロットに切り込みをいれて、無理やりPCI-E x16のカードが刺さるようにするという技です。
上で述べたビデオカードを削るより、スロットの方が柔らかいので加工は楽そうかな……と思いましたが、ビデオカードを削る方法は後戻りができる(最悪ビデオカードを処分すればなんとかなる)のに対し、スロット削っちゃうと後戻りできないので、この方法は取りませんでした。


ビデオカードの選択

値段が安く、一応現行レベルということで、現在ML110にビデオカードを増設する場合、ATI Radeon HD 4350/HD 5450あたりがスタンダードだと思います。
値段の安いATI Radeon HD 4350が多いかなぁ。

HD4350

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SAPPHIRE
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VRAMが256MBでもいいと思います(安いし)。
玄人志向の方が使用例は多いっぽいけど、2スロット占有
SAPPHIREは1スロットのみだけど、ヒートシンクが裏側まで回り込んでいるので、その点は気をつけなければいけません(PCI-E x8に刺すとCPUクーラーに触れますが、干渉はしないぐらいの配置になるそうです)。


秋葉原では、今日確かAX4350 512MD2-H(HD5450 VRAM 512MB)がTWO TOPで3,000円だったので、それぐらいを目標に探すといいと思います♪

HD5450

私が買ったのはこちら。
今日、ツクモT-ZONEで3,980円でした(ツクモはタイムセールで6%ポイント還元♪)。
まぁ1,000円差ぐらいだったら、DirectX 11にも対応しているし、いいかな、と。
HD4350と同じように、ヒートシンクは裏側に回りこんでます(1スロット占有タイプ)。


ビデオカードを加工・改造する

1.前準備

[HD5450]
[写真・左上]
出力は、HDMI/DVI-I/VGAです。
[写真・右上]
カード裏側。ヒートシンクが裏側に回りこんでます。
[写真・左下]
50-52ピン(この状態で右から数えて31-33番目)を黒塗りします。ここを削ります
[写真・右下]
関係ないところを厚紙で養生し、その他の箇所をビニール袋にいれて粉が入らないようにします。思ったより粉はでなかったので、ビニールは余計でしたが、厚紙養生はしておいてよかったです。なかなかもつ場所がなく、かといって端子を直接手で触るのは抵抗がありますし、ないより手をすべらせて周囲を何度もつついたので、養生してなければ心臓に悪かったことでしょう。

2.作業場所

[HD5450]
粉がでるということだったので、段ボールで風が入らないように覆いをし、新聞紙をひいてみました。ちょっと大げさだったかしら……爪を切る時のノリぐらいでいいと思います。ただ万が一粉を吸い込まないように、マスクはしておいたほうがいいかと(念のためしました)。
カードに刺さっているようにみえるのは、ダイヤモンドヤスリです。
平型を買おうとしたのですが、ダイソーでは売ってなかったため、角型にしてしまいました。……角型は幅があるので、苦労する原因になりました。

3.削ります

[HD5450]
[写真・左上]
こんな感じでがりがり削ります。
[写真・右上]
削り途中。この様をみるとやめておけばよかった…という気分になります。
[写真・左下]
ここでだいたい1時間経過。どこまで削っていいのか迷いつつ、52ピンをどう処理するか迷いながら進めています。
[写真・右下]
1時間20分経過。これ以上削るのが不安になって終了にしたところです(ああ、なんと美しくない…)

4.スロットに挿します

[HD5450]
1本あるPCI-E x8に刺そう!しかしどれがPCI-E x8かわからない…と思ったら、そういえばケースの中にこのような図が貼ってあったのでした。腐ってもサーバマシンですな。
このスロットにこのカードを挿すとCPUクーラーと一見干渉しそうですが、写真のとおりゆがむこともなくちゃんと入っています。
この状態だとヒートシンクに隠れて挿さっている様がわからないので、2番スロットに挿した状態も撮影してみました。ビデオカードに切り込みをいれたお陰で、このようにちゃんと挿さっています。

5.こんな感じで使えるようになりました

[HD5450]
はい。
初回起動時に止まってしまっている様子だったので、セーフモードで入って、G200eをデバイスマネージャで無効にしたら無事起動しました。
おかげさまで同じディスプレイ(SONY SDM-HS74PB)で見ても画面がくっきり。やっぱりぼけた感じの画面になっていたのはビデオカードのせいだったのですね。


さらにML110にはサウンドチップも積まれていないので、先月購入したDIOS-191ZEに、HD5450のHDMIで接続することにしました。
HD5450には、HDMI用にATI High Definition Audio Device」があるからできるわけですね。


これでビデオカードとオーディオという2つのML110の問題をクリアできました。
これで4,000円は安い!です。


ただDIOS-191ZEは縦が768pxなのがキツイですね。狭い……。


今まで使ってたSONY SDM-HS74PBでも縦は1024px出たので、本当に狭く感じます。
SDM-HS74PBにはHDMIがないので置換えも仕方ないのですが、はやいところ解像度の高いメインディスプレイを導入して、DIOS-191ZEを当初の予定通りサブディスプレイにしたいです、はい。


そこでやむを得ずWindows2000のノートをML110の上に積んでサブディスプレイ代わりにしてみるよの図。あ、DIOS-191ZEのいいところはノングレアなところです、目に優しいー。

最後に

不器用な私がビデオカードの加工・改造に挑戦できたのは、偉大なる先達のお陰です。以下の記事をもとに作業させていただいたことと、感謝を申し上げたいと思います。