クリエイティブ・コモンズとメタデータ

著作物の利用許諾の分類入門とクリエイティブ・コモンズの続き。
どういう形で、ライセンスをメタデータで示すか、です。




クリエイティブ・コモンズメタデータの記述(The Web KANZAKI)
 http://www.kanzaki.com/docs/sw/ccm.html#ccm-sample


が、とってもとっても詳しくて素晴らしいです。


クリエイティブ・コモンズは、「作品のメタデータに(1)Dublin Coreを用いた作品概要;(2)C.C.メタデータ語彙を用いたライセンスの概要;の2つを記述することを推奨して」いる。


Dublin Core(ダブリン・コア)は、「メタデータ記述に使う語彙の通称」(wikipedia)です。これだとよくわからないのですが、書籍、音楽作品、Webページなどの著作物のメタデータ記述のための語彙」だそうです。


▽第4週 知識資源管理技術の基礎(3)〜セマンティックWebの実践〜
 1.2 Dublin Core(知識マネジメント論/稲葉光行)
 http://www.ritsumei.ac.jp/~inabam/class/km/4th/


RSSなどでよくみるdc:はこれですが、Webページに限らず、著作物全体を見通して作られた語彙だったのですね。


最終的にはDublin Coreの定義を、クリエイティブ・コモンズの定義で論理づけて、ひとつのrdfにまとめて、作品のメタデータとするという形になっているみたいです。


こんなかんじ。


□タイトル。通常はあるリソースが公式に知られる名前

□制作者。リソースの内容に責任を持つもの

■作品をつくる能力のあるもの(作者)

□年月日



■作品をつくる能力のあるもの(著作権者)










※Agentのなかの要素をdc:titleでくくる点は要確認。dc:titleの意味を私、取り違えている気がする




基本クラスのうち、WorkとAgentはダブリン・コアでも指定する様な典型的な内容です。
Licenseは、クリエイティブ・コモンズの6類型のうちいずれにあたるかをWorkの中で指定します。


その上で、再度Licenseの中で、Permission、Requirement、Prohibitionを指定。

  1. License
    1. Permission【許可】
      1. Reproduction≪複製≫※
      2. Distribution≪配布、公開および上演≫※
      3. DerivativeWork≪改変物の作成及び配布≫〔2.改変禁止〕
    2. Requirement【禁止】
      1. CommercialUse≪商用利用可≫〔1.非営利〕
    3. Prohibition【要求】
      1. Notice
      2. Attribution〔0.表示〕
      3. ShareAlike〔4.継承〕
      4. SourceCode

クリエイティブ・コモンズでは標準でオン


クリエイティブ・コモンズメタデータの仕様は、クリエイティブ・コモンズ以外のライセンスの著作物についても一応対応できるような形式になっているということですね。
新たに加わっているのは、Reproduction、Distribution、Notice、SourceCodeでいいのかな(あとLicenceのaboutに来るPublicDomainか)


複製・配布を禁じたら、ネット上では一切使えないことになるので、Reproduction、Distributionは分類としては不必要。SourceCodeもプログラムコードを扱わなければ不要。Noticeも、Attributionとの区別が不明だけど、クリエイティブ・コモンズのクレジットは表記がある場合には表記をそのままにすることを要求しているので、問題ない(区別がない)気がする……(しかしあえて設けているところをみると、きっと理由がある気がするので要確認)


クリエイティブ・コモンズメタデータの記述(The Web KANZAKI)
 http://www.kanzaki.com/docs/sw/ccm.html#ccm-sample


クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(ホームページ制作、千太の絵空事
 http://blogs.yahoo.co.jp/cen_picture21/41731201.html


そうすると、分類の見地からは、

0 1 0 サブライセンス
0 2 0 著作権委託先許諾
0 3 0 個別許諾
0 4 0 期間限定ライセンス
0 5 0 キャンペーンライセンス
0 6 0 クリエイティブ・コモンズ1.0
0 6 1 クリエイティブ・コモンズ1.0 非営利
0 6 2 クリエイティブ・コモンズ1.0 改変禁止
0 6 3 クリエイティブ・コモンズ1.0 非営利−改変禁止
0 6 4 クリエイティブ・コモンズ1.0 継承
0 6 5 クリエイティブ・コモンズ1.0 非営利−継承
0 6 6 クリエイティブ・コモンズ1.0 サンプリング
0 6 8 クリエイティブ・コモンズ1.0 サンプリング・プラス
0 6 9 クリエイティブ・コモンズ1.0 非営利−サンプリング・プラス
0 7 0 クリエイティブ・コモンズ 表示
0 7 1 クリエイティブ・コモンズ 表示−非営利
0 7 2 クリエイティブ・コモンズ 表示−改変禁止
0 7 3 クリエイティブ・コモンズ 表示−非営利−改変禁止
0 7 4 クリエイティブ・コモンズ 表示−継承
0 7 5 クリエイティブ・コモンズ 表示−非営利−継承
0 7 6 クリエイティブ・コモンズ 表示−サンプリング
0 7 8 クリエイティブ・コモンズ 表示−サンプリング・プラス
0 7 9 クリエイティブ・コモンズ 表示−非営利−サンプリング・プラス
1 0 0 パブリック・ドメイン

みたいな感じで分類すればよさそうですね。他のライセンスについては8、9で対応できるでしょうか。
画像等については改変禁止に、拡大縮小は可とかつけたい気がするけど。


ちなみに以下の記事の、図書目録とDublin Coreの比較も興味深かったです。
やっぱりDublin Coreだけでなんとかなるってものでもないですね。


▽「MODS:図書館とメタデータに求める新たなる選択肢」(情報の科学と技術 2003年6月号)の参照資料
 サンプル Dublin Core (DC)
 http://www2.aasa.ac.jp/org/lib/j/netresource_j/guenther0306/sample_dc_j.html


メタデータと図書目録 Dublin Coreと目録規則の比較
 http://www.digital-narcis.org/johoshak_free_font/5/mochiduki.htm