『バイラルループ』とCOURRiER10月号を読んだよ
なんか久しぶりにこういう本、読んだ気がします。
浮世離れしているのぉ
インターネット等により情報伝達の敷居が下がったことから、口コミが広がるスピードがあがったよ、その様がウィルス的な感染の様子に似ているよ……ということで、Viral Loopと名付けられたようです。
本書では、ネットスケープやeBay、Paypal等、0から爆発的な成長を遂げたアメリカのベンチャーの立ち上げから成功までを、様々な危機等も含め紹介しています。厚さ319ページ、紹介するケースは二桁にのぼり、読み応えも抜群です
(最近のヌルいビジネス「入門」書みたいに改行がたくさんないので、1ページに文字が沢山つまっています。いいですねぇ、こういうの)
正直、口コミマーケティングも、バイラルなんとかも、ちょっと時代遅れだと思ってます。……最近はソーシャルなんとかですか?これを「次代のマーケティング戦略」というのはカッコ悪いです。もう現時点以前、という意味で過去の手法デス(そもそもこれ、手法なんですかねぇ…少なくとも戦略といえるレベルではない)
「限られたリソースで確かなパフォーマンスを狙う現代のビジネスパーソン」向けといいますが、確かなパフォーマンスは狙い難いし、投下する資金が少ないからといって限られたリソースでなんとかなるという問題でもありません。
…………つまりこれ、本屋さん向けの紹介文ならいいでしょうが、ブロガー向けの紹介文としてはいけてないですよねぇ。もうちょっと考えて欲しいなぁ(貴社には、サンディ・サヤマが必要ではないでしょうか、講談社さん!)
読後、講談社の紹介文(本に添付されていたもの)を読み返し、そう思いました。
個人的には、現象をあれこれ言うより、どうしてそれが起きるのかどうやったらその現象を起こす仕組みを作れるのかが大事だと思っています。本書では、そういう分析面はほとんどなく、「バイラルループ」とひとくくりにしてしまっている感じ。つまりせっかくこれだけ事例をあげながら、各ケースの共通項を的確に抜き出せているとは言いがたいです。著者がジャーナリストだというのも理由なのでしょうね。
ですから、本書を「ビジネス書」と呼ぶのは抵抗があります。
しかし、これをインターネットの歴史書・伝記集として読むならば、大変面白い!
先人達の苦労に思いを来すと同時に、こんなこともあったのね…と楽しむことができます。来年公開の、Facebook誕生物語を描く映画『ソーシャルネットワーク』を観るノリで、つまり物語として読むべきでしょう。
個人的には、高校生の分際で理工学部の端末室でMosaicを使ったあの日から、ずいぶん遠くへ来たものだなぁと感慨にふけりました。
バイラルループのオフィシャルサイトでは、明後日まで無料版(まえがきから序章+第9章、約50ページ)が公開されているので、是非ご覧ください。
放送コンテスト全国第3位の女子高生が朗読してくれる、オーディオブック版(MP3)もあるので、こちらも是非。…………面白いんだけど、「もし放送コンテスト全国第3位の女子高生が新刊ビジネス書を朗読したら」ってタイトルだけじゃバイラルループは生まれないなぁ(笑)
これからのモノづくり
本当に好きなだけ本を読んでいいの?
HBRみたいな10月号
「外国人を読者に想定して書かれた外国メディアのニュースを日本人に紹介するという手法」を採る雑誌とのことですが、あまり先入観なく読んだところ、日経ビジネスと機内誌を足して二で割った感じでしょうか。
写真がとてもキレイなのですが、それだけでなく内容も読み応えがあります。ノルウェーの王女様がこんなキュートな子だとは知らなかったですよ(あれ?目をつけたのはそこ?)
月刊誌なので、カバンにいれておいて、一ヶ月かけて暇なときにゆっくり読む。そういう感じで楽しめるいい雑誌だと思います。これを読むと、雑誌っていいなぁ……こういう雰囲気はネットじゃまだまだ難しいなぁ、と思いますね。
余裕ができたら定期購読したいなぁ、って思います(^ ^)※これらの本は、Fans:Fans(AMN運営)のキャンペーンで応募し、いただきました。